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The Magic No.42(ザ・マジック)

メイガス

発行 デアゴスティーニ・ジャパン

監修 マジシャン・メイガス

発行日 2020/10/20

定価 1,657円+税

【セット内容】

冊子(オールカラー12ページ)

DVD(約31分)

不思議な新聞紙



不思議な新聞紙(Water and Newspaper)

 演者は折りたたまれた新聞紙を取り出し、広げて読んだ後、また折りたたみます。水の入ったコップを取り上げて新聞紙に注いでいきますが水は一滴もこぼれません。新聞紙を広げてみてもどこも濡れておらず、水は完全に消えてしまいます。新聞紙を折りたたんでおまじないをかけると、新聞紙の中から再び水が出現し、コップに注がれます。


 液体を使ったマジックは古くから人気があり、この水が消えて再び現れる新聞紙のマジックも世界中で長く演じられ続けている不朽の名作です。1935年にリンキング・リング・パレードで、エルレイ(Elray)が「Paper Cone, Silk&Water」という作品を発表します。紙をコーン状に巻いて水を入れる方法でしたが、コンセプトは明らかにこの時に誕生しました。その後1941年にマックス・アンドリュース(Max Andrews)が「Absorbing News」という商品を市販し、これがこのトリックの原案と呼べるものになります。当時の宣伝文句は「繰り返し使えます」でした。テンヨーは「ふしぎな新聞紙」という商品名で現在も国内販売していますが、1960年代後半に「In the News」という商品名で輸出を始め、その品質の良さから海外のマジシャンにも人気のある商品となっています。繰り返し使えるとはいえ、一度使えば新聞紙がある程度は濡れてしまいますので、傷んできたら定期的に買い替えるか、使用する新聞紙にこだわりがあるなら自分でギミックを作り替えた方が良いでしょう。



プレフィギュレーション(Prefiguration)

 観客にデックをよく混ぜてもらってから、演者は予言のカードを1枚抜き出してテーブルに裏向きに置いておきます。観客の自由な選択によって3つの山が作られますが、その山の一番上のカードが全て予言のカードと同じ数字になっています。


 考案者はラリー・ジェニングス(Larry Jennings)。雑誌『Genii』1965年2月号に発表されたセルフワーキング・カードトリックの傑作です。デアゴスティーニでは、トム・オグデン(Tom Ogden)の見本とも言えるような改案手順が解説されています。私は原案の操作を簡素化し、少々強引な手順を賢くスマートに解決し、尚且つ現象そのものの印象を変えつつ不思議さを高めている改案の方が好みでした(これは原案がダメなのではなく改案が素晴らし過ぎた例です。)ので、このチョイスは嬉しかったです。序盤のハンドリングは自由度が高いというか状況に応じて変えていかなくてはいけないのですが、原理が理解できれば自分がやりやすいケース・バイ・ケースの対応を考えることもできます。あるいは更に簡単に演じられるバージョンも用意されていますので序盤のハンドリングに自信が無い人はこちらから演じてみるのも良いでしょう。原案は『新版ラリー・ジェニングスのカードマジック入門』、改案の方は『カードマジック入門事典』に収録されていますので、本を持っている人はデアゴスティーニと合わせて違いを読み比べてみるのも面白いと思います。



クレヨンの透視(Crayon Mind Reading)

 3色のクレヨンが入った中身が透けて見えない封筒を観客に渡し、演者が後ろを向いている間に好きな色を1本決めてもらいます。他のクレヨンは隠してもらい、選んだクレヨンだけを封筒に入れます。中身はまったく見えないはずですが、演者は精神を集中してクレヨンの色をズバリ当ててしまいます。


 考案者かどうかまだはっきりしていませんが、1919年頃にはP.T.セルビット(P.T. Selbit)が「Psychometric Impressions」という演目名で既にステージで演じていたようです。『ターベル・コース・イン・マジック第3巻』にも「透視術クレヨン(Psychometric crayons)」として解説されていますが、デアゴスティーニではよりやさしく、それでいて不思議に見えるようにハンドリングが細かく変更されています。



WELCOME TO MAGIC WORLD

マジック界の”小さな巨人” 高重翔(Sho Takashige)



付属マジックアイテム

仕掛けが施された新聞紙(予備の仕掛け付き)

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